先日、「やめて!」という声で目が覚めた。
寝ぼけて、隣に寝ていた家族のお腹をさすっていたようだ。全く覚えていない。
申し訳ないけど、覚えていないのであまり申し訳ない気持ちになれなかった。
ケアの一つとして、摘便を行う看護師さんのサポートをすることがあった。
◇摘便 てきべん
肛門から指を入れ、便を摘出する医療行為。
直腸内に便がたまり、自然排便できないときに行う。(Wikipediaより)
看護師さんがお腹をマッサージする様子を見ているとやり方は人それぞれで、力を入れてお腹を絞るようにされる方法もあれば、押してほぐすように見えるような方法ある。
そして、ある看護師さんはゴム手袋を外して、両手で揺らすようにお腹をさすっていた。
見ているだけでも気持ちが良さそうだった。
「皮膚のすぐ下にリンパが流れているし、腸は自分で動けるので、このくらいでいいって私も習ったの~」と教えてくださった。
その方が摘便をする日は、
「顔を見るだけでお通じが出そうな気がする」と利用者さんがいい、
看護師さんは「やだー!」と笑い、わたしもつられて肩の力が抜けていた。
そして何より、気持ちのいいお通じを出されることが多かった(ように感じた)。
ということを、家族の悲鳴を聞いて思い出した。
そして、寝ぼけ半分で、
「押しても引いてもダメならさすってみろ、ってことかな」と思った。
力ずくで何かを動かそうとするのではなくて、さするように流れを整えたりきっかけを作ったりリラックスさせる(する)ことで自然と動き出す状況をつくる。
というのは、こじつけかな。